酒にまつわる1つの謎について

世界はあまりに多くの謎に満ちていて、それらの1つ1つと向き合い、考えつづける事は不可能だ。

しかし、僕は酒にまつわる1つの謎については、自分のライフワークとして向き合い、考え続けている。それは、酒だと異様な量の液体を飲む事ができるという事だ。

例えば、大ジョッキのビールを2杯飲む事は平凡な常人の行為にもかからわず、コーラの大ジョッキを2杯飲む事は常軌を逸した荒くれ者の行為となってしまう。

それは、味の甘さの問題だという人もいるかもしれない。でも、考えてもみて欲しい。500mlの氷結のグレープフルーツを2本飲む事は極めて真っ当で紳士的だが、500mlのファンタグレープフルーツを2本飲む事は紛れもない変態行為ではないか。

いったいこれは、どういう事なのか。なぜ、氷結は紳士的で、ファンタは変態的なんだろうか。

これは、僕が一生をかけて考え続けても、解けない謎として存在しつづけるかもしれない。だが、たとえそれがずっと解けない問題となってしまったとしても、1つの謎と向き合うという事はとても楽しい事だ。

解けない謎とは、やっかいでいて愛おしく、それはまるで授かったばかりの子供のように、僕を惑わせ、頭を悩ましつづけるのだ。