BRUTUS「音楽と酒・夏。 この夏、あなたが出逢うレコードとバーの話。」にepulorが掲載されました!

epulorがBRUTUSのレコードバー特集に掲載されました。epulorの本棚にも置いてありますが、BRUTUSは最もかっこいい雑誌の一つだと思っているので、このように掲載いただくのはとても光栄ですし、嬉しい話です。epulor以外にも、僕の知っているかっこいい店や、面白そうなお店の話も書かれていますので、音楽がお好きな方はぜひ御覧ください。

 

 

読んでみて僕がまず驚いたのは、Bar Marthaの記事です。僕自身、Marthaにはよく行きます。オーナーの福山さんはお店で僕をみると「よっ」と声をかけていただいたり、たまに別のお店で会うとお話させていただくことがあります。彼はこういった雑誌に写真付きで掲載されることを断るものかと思いましたが、どうやらBRUTUS関係者の方が、Marthaの常連さんで福山さんに直接交渉されたみたいですね。

そういう経緯もあったためか、Marthaの記事ではMarthaの魅力がちゃんと表現されていて、とても面白いです。これは音楽がそこまで詳しくない人でも、何かを創作する人には興味深い話だと思います。彼は想像以上にディテールにこだわり、人や空間を観察していました。以前、彼は何を意図するにしても、その意図しているものが小さなところまでちゃんと反映しきれているかが重要だ、という主旨のことを僕に話してくました。実際にMarthaに行くと、レコードの音や曲の流れはもちろん、入り口から、内装、小物のデザインやその配置など、すべてに彼の意図があり、Marthaのストーリーがあります。

以前、音楽を聴いてない人も多いですね、という話をしたときに、彼は、それは全然いいんだと言っていたことは僕には意外でした。お客さんは、自分の意図したことを一つ一つをわからないかもしれないけど、意図したことが創り出すストーリーを感じるものなんだ、ということを言ってました。確かにそのとおりだと思います。それは、料理でも、絵画でも、映画でも、そうですよね。創作する側が、部分としてディテールにこだわって意図したものは、全体として一つのストーリーとして伝わるんだと思います。この記事には、彼の頭の中の一部を知ることができるので、興味があったらぜひ読んでみてください。そのあとで行くMarthaは、また違ったものになるかもしれません。

epulorが掲載されているのは、「店の個性際立つレコード5枚と、その理由」というところで、各店がテーマに沿ったレコード5枚を選ぶというものです。これは、とても頭を悩ます宿題でした。テーマに関して適切で、epulor的であり、それでいてちゃんとカッコつけたレコードを選びたい、というところでした。どんなテーマで、どのレコードを選んだかは、ぜひ実際の記事で御覧ください。笑

取材をいただく際に気をつけたのが、説明を音楽的にしすぎない、というところです。音楽に詳しい方は、レコードを語る際に、ミュージシャンは誰で、どんな人で、レーベルはどこで、何枚目のアルバムの何年の録音で、アルバム制作におけるエピソードはどんなふうで、というような属性を挙げがちです。音楽マニアにとっては、ごくナチュラルにそういった事を知りたがるし、実際に調べるので、人によっては当然あってほしい情報なのかもしれません。しかし、僕は意図的にそのような説明をしないようにしました。

なぜなら僕は、それほど音楽が詳しくない人でも、自然体に何かに関連付けながらレコードを聴いてほしいと思っているからです。雨の日にあうレコード、コーヒーを飲みながら文庫本の小説をよむのにあうレコード、つかれた一日の最後にナチュラルワインを飲みながら聴くのにあうレコード。AIが自動的に音楽をレコメンドし、ネットでは食傷気味に情報があふれている時代で、epulorにアナログレコードを聴き来てもらえるとするなら、僕らの一枚一枚選ぶ音楽を含めたepulor全体のストーリーを感じてもらいたいと思っています。僕たちは音楽の専門家ではなく、僕たちが表現したいストーリーの専門家でありたいのです。

BRUTUSの宿題はもう一つ、60分程度のプレイリストを作成するというものもありました。こちらも難しく、かつ楽しいものでした。epulorでは、予定調和的に準備したセットリストを流すということはしませんが、いろんなジャンルや時代の音楽をまたぎながら、それでいて流れがあり、ストーリーのある選曲にしたつもりです。よかったら、聴いてもらえると嬉しいです。