このレコードにこのジャケットを合わせた事に、何かしらの思入れの深さを僕は感じます。

僕はいわゆるハルキストではないつもりで、アンチ村上春樹の人が言うことに一部賛同して、はは、確かにそういうとこあるよね、と訳知り顔をする事もありますが、率直に言って彼の事をとても尊敬してます。

彼の提示する、あるいは、メタファーとして想起させる物語は、類稀なる才能と深い教養や感性に裏打ちされていて、僕のような凡人はそれを頑張って推し量る事しかできません。できれば、その一部でも自分の言葉として理解したいと思ってます。

だからこそ、彼がどんな小説が好きか、どんな音楽が好きかは、それなりに知っているつもりです。彼が最も好きなジャズボーカリストの1人にビリーホリデーがいます。

 

彼女の壮絶過ぎる人生を説明する事は他に譲るとして、彼女の歌声については、そのすばらしさの説明は必要ありません。素晴らしい音楽は、いったんそれが流れるだけで、他の雑多な思考を遮るほど力をもちうるのです。おーけー。正直に認めよう。僕は村上春樹氏に影響されてビリーホリデーが大好きなのだ。

僕は、彼女に起こった様々な苦悩や罪を、丸ごと肯定するつもりはないですが、それを全て丸ごとあるべきではなかったと強く言えるほど、優等生タイプではありませんでした。多分、彼女ほどの表現者は、他の人にない鋭い爪のような感性を持っていて、それが自分を含めた何かを傷つけ、そしてその感性が文字通り爪痕を残すのだとおもいます。

ところで、このジャケットは誰が描いたんでしょうね。僕はミュージシャンなり、レコードのプロデューサーなりが、どのような思いで作品の顔であるジャケットを作るの興味があります。レコードは、その中身とジャケットを合わせて、1つのアートです。このレコードにこのジャケットを合わせた事に、何かしらの思入れの深さを僕は感じます。

このアルバムはライブレコーディングで、録音がいい曲と、それほど良くない曲が混在してますが、僕は好んで、このレコードをかけます。僕も1つ1つ、それなりの思い入れを持って、レコードをかけているつもりです。そして、あなたがepulorに来た時、あなたのための曲を、思入れを持って流すと思います。

ということで、中目黒でおまちしております。。